診療放射線技師におすすめの
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診療放射線技師とは、病院やクリニックで放射線を用いた検査や画像診断、治療のスペシャリストです。

日本では医師と歯科医師以外で、人に放射線を照射することが認められているのは診療放射線技師のみです。

診療放射線技師の業務は、一般X線撮影（レントゲン）、乳房X線撮影（マンモグラフィ）や造影検査、CT検査、MRI検査、超音波検査、がん療法である放射線治療などがあり、医療現場で重要性が高まっています。

令和2年の国勢調査によると、診療放射線技師の就業者数は5.7万人で、そのうち女性が26.7%、男性が73.3%の割合で、全体の約8割が男性です。

エコー検査や乳房X線撮影（マンモグラフィ）などの女性向けの検査が普及するにつれ、検査は同性である女性に担当してほしいという患者の声が多く、女性の診療放射線技師の需要が高まっています。
放射線に関する幅広い知識を活かして、病院や診療所、臨床検査センター、医療分野以外の一般企業でも診療放射線技師として幅広く活躍できるでしょう。

診療放射線技師と混同しやすい医療職に臨床検査技師があります。
業務内容の違いを簡単にまとめると、放射線を使用する検査は診療放射線技師が担当し、放射線を使用しない検査を臨床検査技師が担当します。

参考：
総務省統計局「国勢調査 時系列データ 就業者の職業、国勢調査 令和2年国勢調査 抽出詳細集計（主な内容：就業者の産業・職業（小・中分類）など）」

厚生労働省「令和３年賃金構造基本統計調査」によると、診療放射線技師の平均年収は約547万円で男性約564万円、女性約491万円です。

日本人の平均年収は461万円なので、日本の平均年収と比較すると高めの給与水準と言えるでしょう。

診療放射線技師の平均年収は、看護師の平均年収約499万円や臨床検査技師約496万円と比べると医療系資格の中でも高い水準で、平均年齢は41.9歳です。

以下で、年齢と平均年収の推移を見ていきましょう。

20代は給与の伸びが少ないですが、経験年数を積むほど年収も高くなる傾向にあり、30歳以降に収入アップが見込める職業だと言えます。

診療放射線技師の平均年収の約547万円は、医師（約1,378万）、歯科医師（約787万円）、薬剤師（約581万円）と同様に医療職の中でも高水準です。

他の医療系の仕事と比較しても、高い年収が期待できるのがメリットですが、診療放射線技師は職場によって求められるスキルが異なるので、年収差が出やすいことに注意しましょう。

参考：厚生労働省「令和３年賃金構造基本統計調査　結果の概況」

「令和３年賃金構造基本統計調査」では、診療放射線技師の月収の平均が約37.2万円、平均賞与が約99.8万円です。

平均年齢は41.9歳、勤続年数 12.8年で、年齢を問わない職種なので長く働き続けられるため、経験に伴って基本給も上昇します。

さらに、病院などの医療機関では「夜勤」が必要な施設も多く、その分夜勤手当が上乗せされているので、高い月収を求める方は基本給に加えて手当が上乗せされる職場を選びましょう。

参考：厚生労働省「令和３年賃金構造基本統計調査　結果の概況」

診療放射線技師は近年の養成学校の増加に伴って従事者数が増加しているため、今後長い目で見ると診療放射線技師の求人が少なくなる傾向が予想されます。
しかし、令和３年度の診療放射線技師の有効求人倍率は「1.16倍」で、現在はまだまだ安定して求人がある状態です。

診療放射線技師による専門性の高い診療を求める医療機関も増加傾向にあり、今後はより専門的な診療が必要になることが予測されます。総合病院や大学病院などの大規模な病院では、複数の診療放射線技師が在籍しており、毎年新卒の診療放射線技師が就職しています。

病院は多くの症例が学べるという人材育成の意味合いもあり、新卒時は病院に就職する診療放射線技師が圧倒的に多いです。
病院で専門性の高いスキルを学び、経験を積んだ後は選べる求人の幅が広がり、病院などの医療機関だけでなく医療機器メーカーなどの企業への就職も可能になります。

診療放射線技師は、新卒・転職問わず仕事を見つけやすい将来性のある資格だと言えるでしょう。

転職活動は複数の求人が比較できる転職サイトや転職エージェントを使うのが一般的で、診療放射線技師もほとんどの方が転職サービスを活用しながら仕事を探しています。

特に、診療放射線技師は医療職の中でも専門性が高いので、公開される求人数が他の医療職と比べて少なく、病院や企業の応募ページなどを自分で探すのは難しいでしょう。

診療放射線技師の転職に強い転職サイトと医療系転職サイトを合わせて登録すると、さらに幅広く求人がチェックできるので、応募したい職場が決まっていない方は複数の転職サイトの利用がおすすめです。

中途採用は経験を積んだ即戦力となる人材を求めている職場が多く、一般的に転職しやすい時期は20代後半から30代前半くらいとされています。

診療放射線技師は新卒で就職して、機械の取り扱いなどの業務を覚えて1人で仕事ができるようになるまで1～2年程度の期間が必要です。20代前半での転職では経験値が少ないため、新人と同じように扱われることが多いので、ある程度の経験を積んだ20代後半からの転職が良いでしょう。

20代後半から30代前半は柔軟性もあるので、採用側は新たな職場にも馴染みやすいだろうと考え、さらに採用されやすくなります。

診療放射線技師は就業先によっては夜勤などがあり、勤務シフトにゆとりがないため、希望の休みが取りにくい可能性があります。

また、常勤の診療放射線技師が1人体制のクリニックや病院では、代わりの診療放射線技師がいないのでより休みにくくなります。
女性の診療放射線技師が求められるマンモグラフィ検査では、検査の予約が入っていると急に休むのは難しい場合もあるでしょう。

転職前には、診療放射線技師の人員配置をチェックしておきましょう。

配属される部署によっては、2〜3人の少人数で業務を行うことも多いため、関わる人との関係も濃くなりがちです。

人間関係のトラブルがあると、働く人数も少ない職場では人員の入れ替わりも少ないので、精神的につらい時期も長くなります。
簡単に人間関係は変わらないので、転職を考える方も多いでしょう。

転職前には、職場見学をさせてくれる職場もあるので、職場見学を希望して転職先の雰囲気を見ておくと安心です。

診療放射線技師は基本給の水準が高く、さらに夜勤手当や各種手当が上乗せされるため平均年収が上がっています。

しかし、夜勤シフトがつらくなったり、残業が難しくなった場合には収入が下がってしまう場合もあり、収入アップに悩む方が転職を考えています。
管理職になり、管理職手当で収入アップを目指すこともできますが、すぐに収入が上がる方法ではありません。

収入アップが目的の転職の場合は、希望する待遇面や勤務時間をチェックしながら転職活動を行いましょう。

日本乳がん検診精度管理中央機構の講習を受け、読影試験とマンモグラフィの基礎・撮影技術・品質管理・撮影機器についての試験に合格すると、マンモグラフィ撮影に関しての一定基準以上の知識・技術があると認められる認定資格です。

乳がんの罹患率は年々増加しており、国も40歳からの乳がん検診を推奨しています。
さらに、高齢化が進むと罹患する人も増えると予想されるので、検診需要もより高まっていくでしょう。

女性の診療放射線技師にとって「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」は転職する際に有利になるだけでなく、高い技術を持っていると認められるので提示される年収も高い傾向です。
検診施設の中では資格手当がつく場合もあり、女性の診療放射線技師は取得を目指したい資格です。

参考：特定非営利活動法人日本乳がん検診精度管理中央機構　 検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の認定を受けるには

日本の放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に基づいた国家資格です。

医療施設では放射線障害の防止についての監督を行う「放射線取扱主任者」を選任することが義務づけられているので、「第1種放射線取扱主任者」であることが応募要件に含まれているケースもあります。
受験にあたって特に要件はないので、ある程度の経験を積んだ方は是非挑戦しましょう。

参考：公益財団法人原子力安全技術センター 　放射線取扱主任者試験（第１種、第２種）

MRIに携わる人は目標としたい資格で「磁気共鳴（MR）専門技術者」を取得すると、MRI撮像の技術やMRI検査の医療安全について深い知識を持っていると認定されます。

受験要件は機構が認めている講習や学会、勉強会に参加することが前提で、MRIに関する学術研究発表を3回以上または学術誌への論文1編以上を持っていることです。

試験自体も難易度が高く、日頃からMRIを取り扱っている人も取得が難しいとされていますが、MRIのプロフェッショナルになりたい方は目指したい資格です。

参考：日本磁気共鳴専門技術者認定機構　認定試験

「X線CT認定技師」を取得すると、X線CT装置を使用するための専門的で質の高い検査技術を持ち、安心安全な検査の提供を行えると認められます。

機構が認定した指定講習会への参加と、診療放射線技師として5年勤務、X線CTの実務経験を3年以上が受験要件です。
5択選択方式の筆記試験のみなので、認定資格の中では比較的難しくないとされています。

CT検査の業務について十分な知識と経験を持っていると認められるので、取得すると転職成功率が高まるでしょう。

参考：日本X線CT専門技師認定機構　X線CT認定技師

CTによる肺がん検診として確立するべく設けられた認定資格で、取得すればCT検診における安全管理と検診CT画像に対して異常所見の検出で読影医の支援に貢献できる診療放射線技師として認めてもらえます。

専門的なトレーニングと筆記試験（マークシート方式25問）と異常所見検出試験（60症例）の認定試験を受けることで取得でき、平均合格率は82％です。

勉強は必要ですが取得が難しい資格ではなく、健診センターなどの施設では重要視されるので、検診業務に携わりたい方は「肺がんCT検診認定技師」に挑戦しましょう。

参考：特定非営利活動法人肺がんＣＴ　検診認定機構

血管撮影およびインターベンションの専門的な知識と技術を持つ診療放射線技師として認められる資格です。

比較的難易度が高い認定試験で、臨床概論 （100問）、医用機器（25問）、放射線防護（25問）と問題数も多く、臨床の問題はかなり深く勉強しておく必要があります。
第15回認定試験（2022.07.17実施）の合格率は57.5％で、決して簡単に合格できる試験ではありません。

公式ホームページに過去問題が掲載されているので、そちらもチェックしながら十分に準備して臨みましょう。

参考：日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構　認定試験

病院は新人を育てるための教育プログラムが整備されているので、多くの診療放射線技師が卒業後は総合病院や大学病院などの医療機関に就職します。

病院では様々なケースと出会えるので、経験値を積みやすく、高度な治療にも携われるのがメリットです。
また、病院で働いていたキャリアは新卒時にきちんとした教育を受けたとされ、転職の際は有利になるでしょう。

ただし、病院勤務では研究や仕事に関する雑務が多く忙しいので、精神的にしんどくなってしまう方もいます。
診療放射線技師の基礎をしっかりと学び、キャリアを積んでいきたい方は大学病院や総合病院がおすすめです。

クリニックは日曜・祝日が休みの場所が多く、当直やシフト勤務もほぼありません。

基本的にカレンダー通りに営業し、さらに夏季休暇や年末休暇も休みの職場が多いでしょう。
そのため、家族や友人と予定が組みやすく、プライベートを優先したい方におすすめの転職先です。

ただし、勤務している診療放射線技師が1〜2名の場合は突発的な休みは取りにくいので注意が必要です。
また、夜勤手当やオンコールなどの手当がないので、収入が下がってしまう場合もあります。

保健所では感染症対策や公衆衛生関連の仕事に携わり、様々な感染症の予防対策に取り組みます。
公務員として働けるので福利厚生が手厚く、夜勤シフトなどもないので身体的な負担も軽減されます。

公衆衛生関連などの医療分野の知識を学べるので知識の幅が広がりますが、診療放射線技師としての業務はほとんどないので、スキルアップに繋がりにくいのがデメリットです。

医療機器メーカーでは診療放射線技師ではなく、アプリケーションスペシャリストという職種にて勤務します。

アプリケーションスペシャリストは、病院などの医療現場へ機器の説明やデモンストレーションなどを行う営業職です。
ほぼカレンダー通りの勤務で規則正しい生活ができ、医療機関で働くよりも高収入が期待できます。

ただし、今までの診療放射線技師の業務と異なり、プレゼンテーション能力が求められるので、精神的な負担に感じてしまう方もいます。
コミュニケーションスキルに自信がある方や、人と話すことが好きな人は向いている職場でしょう。

特定の業界に特化しているため、専門職の求人数が多いのが特徴です。

医療職専門の転職サイトは需要が高く、大手転職サイトも参入しており、診療放射線技師専門の転職サイトもあります。
今までの経験や資格を活かせる求人を見つけやすいように、希望条件を複数設定できます。

また、転職エージェントによるスカウトサービスが充実している転職サイトもあり、転職活動に不安がある方はスカウトサービスを利用するとよいでしょう。

業界特化型の転職サイトに比べて、求人数は多いのがメリットです。

知名度が高い転職サイトが多く安心感があり、業界特化型では掲載されていない大手企業や有名企業などの求人もあります。

求人エリアが広く、小中規模の転職サイトがカバーしていない求人が掲載されていることもあり、幅広く求人を見たい方は総合型転職サイトで希望の求人を探しましょう。

企業が人材を採用することにより、紹介手数料として報酬が発生するシステムで、大きな特徴は転職に精通したエージェントによるサポートがあることです。

履歴書や職務経歴書の添削、求人の検索、給与条件の交渉、面接の同伴などのサービスがあるので、転職活動が初めての人は転職エージェントの利用が安心でしょう。
業界特化型の転職サイトの場合は業界に精通したエージェントによるサポートが期待でき、希望条件を踏まえた求人情報を積極的に紹介してくれます。

ただし、企業にとっては求人を掲載するためのコストが高いため、企業側の選考はやや厳しい傾向があり、企業の求める人材と一致しない場合はエージェントが求人を紹介できないこともあります。

企業が転職サイトに求人を掲載することにより、求人広告掲載料として報酬が発生するので、エージェントサービスに比べると企業側の負担は少ないため求人数は多いのが特徴です。

知名度が高い大手のサイトが多いので安心感がありますが、応募や面接の日時設定、給与の交渉などは自分で行う必要があります。

すべてを自分で行うため気軽に転職サイトを利用できますが、ハイクラス求人はエージェントサービスに比べ少ない傾向です。

まずは、診療放射線技師の求人数がどの程度あるかをチェックしましょう。

総合型転職サイトの場合は全体の求人数は多くありますが、診療放射線技師で検索すると求人の掲載数が少ない場合があります。
しかし、業界特化型では掲載されていない一般企業などの求人が掲載されていることもあります。

業界特化型の転職サイトの場合、求人数自体は少ないですが、医療職種や診療放射線技師といった専門職に特化しているため、検討できる求人数は比較的多くなる傾向です。

転職サイトによっては地域による案件数にバラつきがあります。

小中規模の業界特化型のエージェントサービスの場合、求人案件と求職者の多い都市部にサービスが集中することもあるので、地域の求人を探している場合は希望するエリアの求人が少ない可能性があります。

自身の経歴や応募しようとする求人の内容により利用する転職サイトも異なります。

求人案件も大学病院や大手医療機関が多い転職サイトや地域の医療機関が多い転職サイトなど、転職サイトの求人内容よって異なります。
今まで取得した資格や経歴があり、ハイクラスな求人に応募するなら、業界特化型の転職エージェントの利用がおすすめです。
担当のエージェントに現在より高い年収やポジションを希望していることを伝えると良いでしょう。

経験が浅い方や気軽に転職活動をしたい方は総合型の求人情報サイトを利用するのがおすすめです。

仕事をしながら転職活動を行う人には、問い合わせや相談の受付時間も大切です。

平日は仕事でなかなか連絡が取れないのであれば、土日対応可の転職サイトもあるので、利用しやすい時間帯で対応してもらえる転職サイトを選びましょう。

転職活動の最初の関門は書類選考です。
転職エージェントを利用するのであれば、サポート内容に職務経歴書や履歴書の作成支援サービスなどの支援が充実しているかをチェックしましょう。
エージェントによっては多数の人材を紹介した実績があり、企業側との信頼関係から求人票には載っていない職場環境などの豊富な知識を持っている場合もあります。

通常は働いてみないと分からない職場の情報を提供してくれるので、ミスマッチの少ない転職が行うことが可能です。
1人での転職活動に不安がある方は、サポートが手厚い転職サイトを選びましょう。

転職の最初の関門は書類審査ですが希望の転職先の内定が欲しいばかりに、つい経歴やスキルを過大に記載したくなりますが、経歴等の詐称があった場合には内定が取り消されることもあります。

採用後に詐称が判明した場合、懲戒処分の対象になることもあるので、経歴やスキルは正確に記載しましょう。
また、経歴やスキルを正確に伝えることで企業側の条件とマッチする確率が上がるので、転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することもありません。

面接時には現在の経歴、スキルを伝えるだけでなく、今後のキャリアや転職できた場合にどのように貢献できるかを言語化できるようにしておきましょう。

転職サイトの担当者とは退職理由や将来像、雇用条件などの希望をしっかりと伝えておきましょう。

エージェントと希望する条件が共有できていないと自分の希望に合わない求人を紹介され、転職後のミスマッチの原因になります。
希望の条件についても優先順位をつけて担当者に伝えるのもおすすめです。

また、気になった求人は積極的に問い合わせる、気になる求人がない場合は非公開求人がないか、希望する企業の求める人材像を聞いておくなど、担当者と積極的にコミュニケーションを図ることが転職の成功のためには大切です。

気になった求人があれば、公式ホームページから事業内容や経営体制、人員などをチェックしましょう。

リクルートページがある場合には募集人員、待遇なども確認します。
ある程度の期間をかけて転職活動をする場合は、企業の求人がどれくらいの期間掲載されているかを確認することで、人材不足の度合いや離職率の高さをある程度予想できます。

また、検索エンジンで転職に関する口コミを検索することもできるので、実際に勤める従業員の生の声を参考程度にチェックしておきましょう。