薬剤師におすすめの
副業先7選！副業として
仕事を始める時の注意点や
働き方を詳しく解説！

公務員・管理薬剤師は副業NG！

公務員薬剤師や管理薬剤師は、副業が原則として禁止されています。

これは、公務員が中立性を保つため、管理薬剤師が薬事の専門性を維持するために各種法律で定められた原則です。

公務員薬剤師は、地方自治体や国の機関で働く薬剤師で、一般の調剤薬局や病院で働く薬剤師とは異なる業務を担当しています。

国家公務員法によって、すべての公務員は原則として副業が禁止されています。

公務員・薬剤師の副業に関する法律

就労規則によっては副業がNG！

厚生労働省が「モデル就業規則」を改正し、公的な方針として副業が推奨されるようになりました。

これにより、多くの業種で人手不足の解消や働き方の多様性が期待されており、今後さらに副業解禁の流れが加速すると予想されます。
しかし、職場にはそれぞれの職場が定めた就労規則があり、実際の職場での副業の取り扱いはすべて同じではありません。

各企業や組織は、独自の就業規則を持っており、その中で副業が許可されていない場合も多いのが現状です。
特に、患者のプライバシーや情報漏洩のリスクが高い医療業界では、副業を一切禁止しているところもあります。

会社の就業規則に法的な拘束力はありませんが、副業をしていることが会社にバレた場合、会社から何らかの罰則を受ける可能性があります。

具体的には、以下のような罰則です。

副業や兼業に関する規則は、就業規則の「服務心得」「服務」の項目を確認してください。

就業規則で副業が禁止されている場合は、副業についての今後の方針を会社に一度確認してみましょう。
場合によっては、副業が禁止されている会社でも、会社に許可を得ることで副業を行うことができる場合があります。

会社に許可を得るためには、副業によって本業に支障をきたさないことをしっかりと説明することが重要です。
副業を検討する際には、まず自身の立場や法律、就労規則をよく確認しましょう。

パート・アルバイト薬剤師

パート・アルバイト薬剤師は、最も一般的な副業の働き方です。

調剤薬局やドラッグストアなどでパート・アルバイトとして働き、調剤や服薬指導などの業務を行います。
パートあるいはアルバイトの勤務形態で薬剤師として働くのは、副業を初めて行う方にとって最適な勤務方法です。

派遣薬剤師の求人数よりも募集数が豊富で選択肢が広くなるため、副業が初めての方はチャレンジしやすい働き方でしょう。
さらに、比較的シフトの融通が利きやすいため、本業の仕事量や家庭の事情に合わせて働くことができます。また、安定した収入が得られる点も魅力です。

時間を有効に使って収入を増やしたい方は、パート・アルバイト薬剤師をまずはチェックしてみましょう。

おすすめの副業先

派遣薬剤師

派遣薬剤師は、薬剤師の副業で自由度の高い働き方です。

派遣会社に登録して、調剤薬局やドラッグストアで薬剤師として働くことができます。
短期間で高収入を稼ぎたい方は、期間を定めて働く派遣薬剤師がおすすめです。

働き方の自由度が高く、「週2日」や「1日数時間」「1日スポット」のように柔軟な働き方ができる点も魅力の一つです。
ただし、派遣という形態は企業が急募の人材を求めているケースが多いため、経験者や即戦力としての活躍が求められるため、ある程度の経験やスキルが必要です。

緊急に人材を確保したいという企業側のニーズにより、時給が良いことが多く、派遣薬剤師は効率的に収入を得ることができます。しかしながら、多くの場合は人手不足の状態での募集となるため、業務量が多い場合もあり、体力や精神力が求められる職場も少なくありません。

派遣薬剤師は人手不足の職場に派遣される場合がほとんどなので、精神的・肉体的にタフな方におすすめです。
派遣薬剤師としての単発派遣には、特定の条件を満たす必要がある点にも注意が必要です。

法律上、以下に該当する人のみが単発派遣が可能となっています。

おすすめの副業先

在宅ワーク

自分のペースでゆっくり働きたい方は、在宅ワークがおすすめです。

薬剤師と比べて時給単価が低くなりやすいことはデメリットですが、自分のペースで時間を使えるので掛け持ちで働くよりは心的負担がかかりにくいでしょう。
また、薬剤師の資格を活かして専門性の高い仕事を行えば、一般的な在宅ワークよりも高収入を得られる可能性もあります。

例えば、医学系の記事を書くメディカルライターや、医薬品の専門的な内容を翻訳・校正する医薬翻訳・校正などの仕事は、専門的な知識とスキルが求められるので、これらの仕事は比較的高収入が期待できます。

在宅ワークは自宅で働きながらもスキルアップやキャリアアップにも繋がる可能性があるため、薬剤師の副業としておすすめです。

おすすめの副業先

調剤薬局

調剤薬局における業務は、多くの薬剤師にとって最も基本的かつ身近な仕事の一つです。

ほとんどの薬剤師にとって馴染み深い業務内容であるため、職場が変わっても安心して働くことができるでしょう。

アルバイトやパートでも、薬剤師のスキルや経験を正当に評価した給与設定がされているため、時給2,000円前後の求人が増えています。これにより、短時間でも高い収入を得ることができ、効率良く稼げるでしょう。

しかしながら、調剤薬局は医療機関との連携が必須のため、近隣クリニックと休みを合わせる傾向があり、シフト調整がネックになるかもしれません。

調剤薬局によっては、本業の勤務時間や休日を考慮したシフトを組んでくれるところもあります。

シフトの調整ができれば、調剤薬局は慣れた業務なので、ストレスや戸惑いなくスムーズに働けるでしょう。

ドラッグストア

ドラッグストアは調剤薬局や病院勤務と比べて、「夜間のみ」「早朝のみ」などのシフトのバリエーションが多いため、シフトを調整すれば、夜間や早朝に特化した時間帯での勤務が選べます。

24時間営業のドラッグストアもあり、夜間などの人材が不足しやすい時間帯は時給が高めに設定されていることも多い傾向です。上手くシフトを調整すれば、本業の後にドラッグストアに勤務に入ることもできるので、効率良く稼げるでしょう。

ドラッグストアは、調剤薬局や病院勤務とは異なる環境で働くことができるため、新しい視点やスキルを身につけることができます。

例えば、ドラッグストアでは、患者の自己判断で購入できる市販薬の販売や服薬指導を行うため、患者のニーズを直接把握することができます。また、レジ打ちや品出しなどの業務を通じて、接客スキルやコミュニケーション能力を磨くことができます。

これらのスキルは、本業で患者の相談に応える際にも役立つこともあるかもしれません。

夜間休日診療所

夜間休日診療所は、夜や休日に多くの病院が閉まっている時間帯に、急患対応として設けられた医療施設です。

急に体調を崩した患者や小さなケガをした患者に対して、内科、小児科、歯科の診療とそれに伴う調剤や服薬指導を提供します。
これらの施設では、通常の薬局や病院での業務に携わっている薬剤師が、薬剤師会を通じて特定の日に派遣されます。
一日あたりの収入は20,000円〜となることが多いので、夜間休日診療所は非常に人気のある副業先です。

夜勤勤務となるため、体力的・精神的に負担がかかりますが、急患の対応や重症患者の受け入れなど、普段の調剤業務とは異なる経験を積むことができるので、高収入が期待できるだけでなく、スキルアップにも繋がります。

夜間休日診療所は、薬剤師としてのスキルアップやキャリアアップを目指したい方におすすめの副業先です。

医療系予備校・専門学校の講師

薬剤師ならではの知識と経験を活かして、医療系予備校・専門学校の講師を副業に選んでいる方もいます。

講義では、薬学や医療の基礎知識から最新の医療情報まで幅広い知識を教える必要があり、講義の事前準備なども必要ですが、時給3,000円〜など高時給を提示している求人もあります。また、講師として働くことで、学生とのコミュニケーション能力や、プレゼンテーション能力を磨くことができるでしょう。

医薬品についての知識を活かせる職業なので、人に教えるのが得意な方はやりがいを感じながら働けます。

医薬翻訳・校正

薬剤師資格の他に、語学スキルを有している方は海外文献の翻訳もおすすめです。

薬剤の専門的な知識を持っているため、高時給の案件を獲得できる可能性があります。

特に、医療や薬剤情報に特化した専門的な内容の場合は、知識がないと対応が難しいため、海外の医薬品添付文書や最新の研究論文の翻訳などの案件がおすすめです。

翻訳や校正を行うことで、薬剤に関する知識や理解が深まるだけでなく、語学スキルも向上させることができます。また、翻訳や校正は自分のペースで働くことができるため、本業との両立もしやすいというメリットもあります。

語学力に自信がある方は、自分のペースで働きながらも高時給を得られる翻訳・校正業務がおすすめです。

ブログ運営

ブログの運営は、ブログや記事を作成して広告収入を得る仕事です。

一般的には、得意な分野や興味のある分野でブログを作成しますが、薬剤師は資格と知識を活かして薬剤情報を取り扱うブログを作成している方が多いでしょう。
薬剤師は本業で培った知識を活かして、信頼性の高い医療情報を発信することができます。

収入を得るまでに時間がかかるのがデメリットで、ブログからの安定した収入を得るまでには時間と努力が必要です。
しかし、一度確立されたブログは安定した収益を期待することができます。

さらに、将来的には講演や執筆活動などの新しいビジネスチャンスの可能性も広がってくるので、すぐに副業の収入が必要ではないという方は、ブログ運営にチャレンジしてみましょう。

メディカルライター

メディカルライターは、医療や薬剤に関する情報を分かりやすくまとめて記事にする職業です。

薬剤師の資格があれば発信者としての信頼を得ることができ、薬剤師は薬事法チェックなどの校正校閲の需要が高いので、一般的なライターよりも高単価で依頼を受けられます。また、イラストが得意な方はイラストレーターとしてのスキルを活かして、メディカルイラストや薬剤イラストなどの制作を行うことも可能です。

記事執筆を通して、医療に関する知識や理解を深めることができるだけでなく、文章力や編集力などのスキルも磨くことができます。

メディカルライターは好きな時間帯や休日などの自分のスケジュールに合わせて働けるため、本業がシフト制で不規則な勤務をしている人にはおすすめです。

目的を明確にする

まずは、副業の目的を明確にしましょう。

「収入をアップ」が目的であれば、単価や時給を重視して副業を探します。
「スキルや経験」が目的であれば、業務内容や学べる環境を重要視することが必要です。

目的が曖昧なまま求人を探すと、副業選びの軸がブレてしまうので本来の目的を叶えられなくなってしまう可能性があります。
さらに、目的が曖昧な副業は、本業へ支障が出ることも考えられます。

副業は本業に支障をきたさないようにすることが大切です。

副業を始める目的を明確にし、副業にかける時間をしっかりと把握して、本業とのバランスを意識しましょう。

薬剤師のスキルや知識を活かせる仕事を選ぶ

同じ時間を使うのであれば、収入アップやスキルアップに繋がりやすい薬剤師の知識や専門性を活かせる仕事を選びましょう。

例えば、ライターを副業にする場合、一般的なライターとして取り組むより、医療分野に特化したメディカルライターとしての方が収入面でのメリットが期待できます。
さらに、専門的な記事の執筆を通じて、最新の薬剤情報や医療トレンドを調査することは、新しい知識の習得や現在のスキルの維持・強化にも役立ち、本業のスキルアップにも繋がります。

薬剤師のスキルや知識を活かせる仕事を副業に選ぶと、薬剤師の専門性を活かしつつ、新しい視点や知識も取得できるため、収入増加だけでなくキャリアの幅も広げることができるでしょう。

無理のない範囲で働く

プライベート時間のほとんどを副業に費やして、体調を崩したり精神的に辛くなるのであれば、副業に割く時間を減らしましょう。

あくまで、本業がメインなので本業に支障をきたしてしまう状況は望ましくありません。
プライベートの時間を犠牲にしすぎて体調やメンタルを損ねるようなら、副業を辞めることも考えた方が良いでしょう。
大切なのは、自分の時間と体力に無理のない範囲で始められる副業を選ぶことです。

時間管理や休息の大切さを意識しながら、副業が気分転換になる程度の余裕のある範囲から始めましょう。

薬剤師の副業・WワークOKの転職サイトを活用する

副業を探す場合は、薬剤師に特化した求人が掲載されている転職サイトを活用しましょう。

求人を検索する際は「副業・WワークOK」などの項目を選択すると、薬剤師でも副業ができる職場が見つかります。
特に「副業・WワークOK」の項目では、パートや派遣の求人が豊富にあるので、副業を始めたい方は薬剤師に特化した求人サイトに登録してチェックしてみましょう。

稀に「メディカルライター」や「講師」などのレア求人もでるため、こまめに最新情報をチェックすることをおすすめします。また、転職サイトに登録していると、自分のプロフィールや希望条件にマッチする求人情報が通知される機能もあり、今よりも良い環境で働ける職場と出会える可能性も高まります。

給与相談やキャリア相談など、専門家によるサポートも受けられるので、転職や副業選びに迷った際には相談してみましょう。

スキルアップができる

副業を通して経験を積むことで、新しいスキルを習得できるのは副業を行う上での大きなメリットでしょう。

副業を通じて新しい環境や仕事内容に触れることで、未経験の知識やスキルを学ぶことができます。

初めのうちは、新たな仕事や職場では知識やスキルを身につけなければならず、負担に感じることもあるかもしれません。
しかし、苦労して身につけた新たな知識やスキルは、必ず自分の助けになるでしょう。

自身の専門性を広げ、より多様な領域で活躍することは、将来的なキャリア選択やさらなるステップアップの道を拓く大きな武器となります。

収入がアップする

本業だけで収入を年間10万円UPさせるのは、昇給や役職に着かない限り難しいのが現状です。

本業の収入だけで、生活の質を上げるのはほとんどの方ができないでしょう。
本業での収入UPを目指すより、副業を始める方が簡単に収入UPを目指せます。

例えば、パートや派遣で働くと、時給1,500円で週2日8時間働けば、月額96,000円の収入になります。年間にすると、115万円の収入アップです。
また、メディカルライターや講師などの副業であれば、本業で培った知識やスキルを活かして、さらに高収入を得ることも可能です。

副業収入を安定して稼ぐことができれば、生活に余裕も出てくるので、人生の質そのものを向上させることができます。

本業の気分転換になる

本業だけでは、嫌な事があると仕事が辛くなることもあるでしょう。

一つの職場や役割に縛られずに異なる環境で仕事をすることは、心理的なリフレッシュや視点の変化をもたらします。
また、副業での成功体験は自信を持つことにも繋がり、それが本業にも良い影響を及ぼすこともあります。

副業はマンネリ化した生活に変化をもたらす効果が期待でき、本業へのモチベーションのキープにも役立つので、副業を始めて環境を変えて働いてみることはおすすめの方法です。

人脈が広くなる

複数の職場で働くと、本業だけでは繋がらない人とも関わる機会が増え、人脈が広がります。

他の業種の人と関わりを持てることは、副業の大きなメリットです。
異なる背景や専門知識を持つ人々との交流のチャンスは、今までと異なる視点や情報をもたらします。
また、副業で得た人脈を将来に活かすこともできます。

例えば、副業で培ったスキルや経験を本業で活かしたり、副業で知り合った人を紹介してもらうことなども可能です。

人脈が広くなると多様な人々の考え方や働き方に触れられるため、情報収集や新しい挑戦がしやすくなるので、自分の将来にも必ず役立ってくるはずです。

自由な時間がなくなる

副業を始めると、本業に加えて副業にも時間を割かなければなりません。

そのため、プライベートの時間を削らなければならない可能性があります。

例えば、副業を始めると、今までは友人や家族と過ごしたり、ゆっくりと体を休めるために使用していた時間に働くことになります。

プライベートな時間が極端に減ってしまうことも考えられるので、工夫して時間を使う必要があるでしょう。

情報漏洩に気を付ける必要がある

薬剤師は患者の個人情報を扱う職業なので、情報漏洩を防ぐために副業を禁止していた企業も少なくありません。

情報漏洩は患者の信頼を失うだけでなく、法的な問題や業界内での信用失墜を招くリスクも伴います。

「副業先で知り合った人とは、本業に関する話をしない」「副業先で得た情報は、本業に持ち込まない」など、情報漏洩を防ぐためのルールをしっかりと自分で決めておきましょう。

副業先で話した内容が情報漏洩に繋がる場合もあるため、専門職として情報の取り扱いには細心の注意が必要です。

確定申告が必要な場合もある

副業で得た収入が20万円を超えると確定申告が必要です。

確定申告をしないと、納税額が不足している場合は後日追徴課税される可能性があるので注意してください。
初めての確定申告となると、何をどのようにすれば良いのか戸惑ってしまう方がほとんどかと思います。しかし、確定申告はそれほど難しい手続きではありません。

最近では、確定申告のオンラインシステム「e-Tax」も利用できるようになり、申告手続きが今までと比べると簡単になっています。
オンラインシステムを利用した電子申告であれば、自宅にいながら簡単に確定申告をすることができるので、慣れれば大きなデメリットではないでしょう。

扶養に入っている場合は注意が必要

家族の扶養に入りながらパートやアルバイトとして働いている人の場合は、稼ぐ金額によって扶養から外れてしまう可能性があるので注意が必要です。

1月～12月までの年間収入が106万円または130万円を超えると、社会保険の扶養は外れてしまいます。
特に、正社員で勤務している配偶者の健康保険に扶養されている場合、扶養から外れると保険料が個人負担となります。

家計に大きな影響をもたらす場合があるので、計画的に副業の収入を管理することが重要です。

参考文献

厚生労働省：モデル就業規則

引用文献

国家公務員法　第103条

地方公務員法　第38条

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律