保育園看護師の仕事内容は？
病院勤務との違いややりがいを解説！

保育園看護師の基本的な役割

保育園看護師の主な役割は、園児の健康を守ることです。具体的には、以下のような業務を担当します。

• 園児の健康状態のチェック
• 怪我や体調不良時の対応
• 保護者への健康相談
• 職員への健康管理指導
• 感染症対策や衛生管理の実施

病院のように高度な医療行為を行うことは少なく、予防や健康管理が中心となるのが特徴です。

園児の健康管理やケガの対応

日々の仕事の中で特に重要なのが、園児の健康管理です。登園時には、子どもたちの顔色や体調を観察し、発熱や咳などの症状がないかを確認します。保育中に体調が悪くなった子どもがいれば、すぐに適切な対応を取り、必要に応じて保護者への連絡を行います。また、転倒や遊び中のケガが発生した場合も、応急処置を行いながら、状況に応じて医療機関への受診が必要かどうかを判断します。

感染症予防や衛生管理

感染症対策も保育園看護師の大切な業務の一つです。子どもは免疫が発達途中のため、インフルエンザや胃腸炎などの感染症が広がりやすい環境にあります。そのため、手洗いやうがいの指導を行い、園内の消毒や換気を徹底することで、感染症の予防に努めます。園内で感染症が流行し始めた場合は、保護者や職員に適切な情報を提供し、拡大を防ぐための対策を講じることが求められます。

アレルギー対応

アレルギー対応も保育園看護師の重要な業務です。食物アレルギーのある園児が安全に食事できるよう、給食の管理や除去食の対応を行います。アレルギー症状が出た際には、迅速に処置を施し、医療機関と連携を取る必要があります。

保護者や職員への健康指導

保護者や保育士に対して、子どもの健康に関する指導を行うこともあります。例えば、正しい手洗いの方法や、発熱時の対応についてアドバイスをすることが求められます。

日々の記録や書類作成業務

園児の健康状態を記録し、保護者や職員と共有するのも保育園看護師の仕事です。健康診断の結果をまとめたり、感染症の発生状況を記録したりすることもあります。

業務内容の違い

病院看護師は、医療行為が中心であり、点滴や採血、投薬管理などの業務を行います。一方、保育園看護師は、医療行為よりも健康管理や予防が主な業務になります。

勤務時間やシフトの違い

病院勤務では夜勤や長時間労働があることが多いですが、保育園看護師は基本的に日勤のみで、勤務時間が規則的です。

求められるスキルの違い

病院では医療技術や緊急対応のスキルが求められますが、保育園では健康管理や感染症予防、保護者や職員とのコミュニケーション能力が重要になります。

人間関係の違い

病院では医師や他の医療スタッフと連携することが多いですが、保育園では保育士や保護者との関係が重要になります。

緊急対応の頻度の違い

病院では急患対応が日常的にありますが、保育園では緊急対応は少なく、日常的な健康管理が中心となります。

子どもの成長を見守れる

保育園では、日々成長していく子どもたちと関わることができます。その成長を間近で見守れるのは、保育園看護師ならではの魅力です。

健康教育を通じて園児や保護者を支えられる

子どもたちや保護者に健康教育を行うことで、病気の予防や健康意識の向上に貢献できます。

病院勤務よりも規則的な生活ができる

夜勤がなく、規則正しい勤務ができるため、ワークライフバランスを重視したい人に向いています。

医療行為よりも予防やケアが中心

病院のように医療行為が中心ではなく、健康管理やケアがメインとなるため、プレッシャーが少ないのも魅力の一つです。

職場の雰囲気が穏やかで働きやすい

保育園は病院と比べて穏やかな雰囲気の職場が多く、アットホームな環境で働けることが多いです。

登園から降園までの業務の流れ

午前の業務は、登園時の健康チェックから始まります。
朝、園児が登園すると、一人ひとりの体調を観察し、発熱や咳、鼻水などの症状がないかを確認します。特に小さな子どもは、自分で体調を訴えられないことが多いため、顔色や機嫌、食欲などを注意深くチェックします。体調がすぐれない子どもがいる場合は、保育士と連携し、必要に応じて保護者に連絡を取ります。

午前中は、保育補助をしながら、園児の健康状態を見守ります。
保育園看護師は、看護業務だけでなく、保育士と一緒に子どもたちの活動をサポートすることもあります。特に0歳児クラスでは、授乳やおむつ交換の手伝いをすることが多く、日常の関わりの中で子どもの小さな体調変化に気づくことが重要になります。

昼食時には、食事の見守りとアレルギー対応を行います。
アレルギーを持つ園児の食事内容を確認し、誤って摂取しないように管理します。また、食欲の有無や食事中の様子を観察し、食事中にむせやすい子どもがいないかなどもチェックします。

午後は、園内の衛生管理や消毒作業を行います。
昼食後、子どもたちが休憩している間に、遊具やおもちゃ、保育室の消毒を行います。特に感染症が流行しやすい季節には、手洗い指導やうがいの励行など、園全体の感染症予防対策を徹底することが求められます。

午後のおやつの時間には、子どもたちの健康状態を再確認します。
午前中は元気だった子が、午後になると体調が悪くなることもあります。そのため、おやつの時間や遊びの時間を利用して、再度、園児の健康状態をチェックすることが大切 です。

夕方の降園時には、保護者への健康報告を行います。
その日の体調や食事の様子を簡単に伝え、必要に応じて保護者に詳しいアドバイスを行います。例えば、「今日はお昼寝の後に少し咳をしていましたが、今は落ち着いています」など、具体的な情報を伝えることで、保護者も安心できます。

このように、保育園看護師の1日は、園児の健康管理を中心に、保育補助や衛生管理、保護者対応など、多岐にわたる業務をこなす仕事 です。子どもたちが元気に過ごせるように、日々の細やかな観察とサポートが求められます。

子どもと関わるのが好きな人

保育園看護師は、毎日子どもたちと接する仕事です。子どもが好きで、一緒に遊んだり話したりすることを楽しめる人に向いています。
また、子どもは体調の変化をうまく伝えられないこともあるため、細かい変化に気づき、優しく接することができる人が適しています。

コミュニケーション能力が高い人

園児だけでなく、保護者や保育士とも密に連携を取る必要があります。そのため、分かりやすく説明したり、相手の話をしっかり聞いたりするコミュニケーション能力が求められます。
特に、保護者からの相談に対応する機会も多いため、丁寧な対応ができることが重要です。

臨機応変な対応ができる人

子どもは突然体調を崩したり、ケガをしたりすることがあります。そうした緊急時に冷静に対処し、適切な判断ができる能力が求められます。
また、保育園では決まったマニュアルがないケースもあるため、その場の状況に応じて柔軟に対応できる力が必要です。

感染症や衛生管理に関心がある人

保育園では、インフルエンザや胃腸炎などの感染症が流行しやすい環境です。そのため、衛生管理の知識があり、感染予防に関心のある人が向いています。
定期的な消毒作業や感染症対策の指導を行う機会も多いため、清潔な環境を保つ意識が高い人が活躍しやすいでしょう。

チームワークを大切にできる人

保育園では、保育士や他の職員と協力しながら子どもたちを見守ります。チームワークを大切にし、周囲と円滑に連携を取れることが求められます。
特に、保育士と協力して園児の健康状態を把握し、必要なケアを行う場面が多いため、周囲と協力しながら働ける人に向いています。

メリット

規則的な勤務ができる

病院勤務のように夜勤やシフト勤務がなく、基本的に日中の勤務となります。そのため、生活リズムを整えやすく、家庭との両立もしやすいのが大きなメリットです。

医療行為のプレッシャーが少ない

病院では緊急対応や高度な医療処置を求められますが、保育園ではそういった業務はほとんどありません。医療行為よりも健康管理が中心のため、プレッシャーが少なく、落ち着いて働けます。

子どもと楽しく過ごせる

子どもと直接関わる機会が多いため、子どもが好きな人にとってはとても楽しい職場です。園児の成長を見守れるのも大きなやりがいの一つです。

デメリット

医療スキルが低下しやすい

病院のように頻繁に医療行為を行わないため、点滴や採血などのスキルが衰えてしまう可能性があります。将来的に病院へ戻ることを考えている場合は、スキル維持の工夫が必要です。

給料が病院勤務より低いことが多い

保育園看護師の給与は、病院勤務と比べると低めになる傾向があります。特に、夜勤がないため夜勤手当がつかず、収入が減るケースが多いです。
ただし、自治体が運営する保育園や大手の企業内保育所などでは、比較的給与が高い場合もあるため、勤務先を選ぶ際にしっかり確認しましょう。

必要な資格｜看護師または准看護師免許

保育園看護師として働くためには、看護師免許または准看護師免許が必須です。保育士資格は不要ですが、子どもと関わる仕事なので、保育の知識があると役立ちます。

未経験でも働けるのか？

未経験でも保育園看護師として働くことは可能です。特に、小児科勤務の経験があると、子どもの健康管理に慣れているため、スムーズに業務をこなせます。

保育園看護師に求められる経験

• 児科やNICU（新生児集中治療室）の勤務経験
• 一般病棟や外来での看護経験
• 感染症対策や衛生管理に関する知識

これらの経験があると、採用されやすくなります。

採用時に重視されるポイント

• 子どもと接するのが好きかどうか
• コミュニケーション能力があるか
• 保育園での勤務経験や小児看護の知識があるか

採用面接では、子どもへの接し方や保護者との対応について質問されることが多いため、しっかり準備しておきましょう。

給料の相場と待遇の特徴

保育園看護師の平均的な月給は、20万〜30万円前後 が相場となっています。年収にすると300万〜450万円程度 になることが多く、特に公立保育園や大手法人が運営する施設では、比較的高い給与が支給される傾向 にあります。
また、資格手当や経験加算があるかどうかも重要なポイント です。看護師としての経験が豊富であるほど、基本給が高くなる可能性があり、小児科や産婦人科での勤務経験がある場合は、優遇されることもあります。
さらに、保育園看護師の大きなメリットとして、夜勤がなく、土日祝日が休みになるケースが多い ことが挙げられます。病院勤務と違い、シフト制ではなく固定の勤務時間が設定されていることが多いため、ワークライフバランスを重視したい方にとっては働きやすい職場といえます。

一方で、賞与（ボーナス）の有無や、福利厚生の充実度は職場によって異なる ため、転職時にはしっかり確認することが大切です。公立保育園や大手法人が運営する施設では、ボーナスや昇給制度が整っていることが多いですが、小規模な私立保育園では、ボーナスが少なかったり、昇給の機会が限られている場合もあります。
このように、保育園看護師の給与や待遇は、勤務先によって大きく異なるため、求人情報を比較しながら、しっかりと条件を確認することが重要 です。給与だけでなく、勤務環境や休日の取りやすさなども考慮しながら、自分に合った職場を選びましょう。