診療看護師になるには?
資格の取り方や仕事内容、
給料について徹底解説!

投稿日: 2024.07.16 | 最終更新日: 2024.08.08

診療看護師になるには?資格の取り方や仕事内容、給料について徹底解説!

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この記事の監修者

看護師
小西 由華
【経歴】
2013年に看護師免許を取得した後、総合病院にて整形外科や眼科などの混合病棟を経験したのちに、眼科に特化した病院の病棟での業務に従事。
その後は、ご自宅や施設で療養される様々な疾患、背景を持つ方々の日常に寄り添ったサポートのため在宅医療の業務に従事。
急性期から在宅療養まで各ステージでの看護知識を生かし、現在は医療専門でホームページ制作を行う株式会社Method innovationでのディレクター業務に従事。
【資格】
看護師

キャリアコンサルタント
平井 菜津子
【経歴】
大学卒業後、ウェディングプランナーとして営業職を経験し、24歳からITベンチャー企業の人事部にて採用・教育などの仕事に従事。採用は新卒・中途の営業職から事務職、クリエイティブ職など幅広い職種の母集団形成から面接実施、内定者フォロー、入社手続き等を行い、教育では研修コンテンツ企画、資料作成、講師育成までを実施。人材開発部立ち上げや、社内の人事評価、従業員満足度調査、社員のメンタルケアなども行っていた。それらの経験を経て、さらに専門性を高めるためにキャリアコンサルタントの資格を取得。
現在も今までの経験・知識を活かしつつ、二児の子育てと両立させながら、株式会社Method innovationのグループ会社である株式会社ドクターブリッジにて人事の仕事に従事している。
【資格】
キャリアコンサルタント
アロマテラピー検定1級
プラクティカルフォト検定1級
ファッションビジネス能力検定1級
ファッション販売能力検定1級

診療看護師とは

診療看護師とは診療看護師は、医師や多職種と連携を取りながら一定の範囲内で医師と同様の診療を実施できる看護師です。
一般的な看護師とは違い、自身で患者の病態・症状から異常が起きていないか判断し、医師の判断を待たずに治療的対応が可能です。これにより、医師が多忙や不在の場合でも、診療看護師が迅速に医療を施すことができます。
また、医療現場のタスク管理や在宅医療におけるスピーディーな対応、医師と他職種の業務の仲介的役割など、様々な役目を担います。
診療看護師の主な勤務先は病院ですが、診療所や訪問看護でも活躍しています。アメリカでは、現在多くの医療現場で活躍しており、日本でも制度整備が進められ、今後活躍の幅が広がっていくことが予想されています。

診療看護師になるには?
資格の取得方法

診療看護師になるには?資格の取得方法診療看護師の資格を取得するには、5年以上の看護師としての実務経験に加え、大学院の修士課程を修了し、NP資格認定試験を合格することが条件となります。日本国内の指定大学院に通うか、もしくは海外のNP資格を取得している場合も試験を受けることができます。多くの方は働きながら週に3日大学院に通い、残りの時間を自宅学習や勤務に充てています。2年間の大学での勉強期間を経て卒業し、日本NP大学院協会の試験に合格すれば、診療看護師の資格を得られます。

診療看護師の教育課程がある
大学院一覧

診療看護師の仕事内容・役割

診療看護師の仕事内容・役割診療看護師は一般の看護師が担う看護業務を行いつつ、下記に示すような業務も担当しています。
なお、職場や診療科によって仕事内容は異なるので、あくまで一般的なものとお考えください。

問診・初期診療・検査など医師の指導のもとで行われる医療行為

診療看護師は、医師が担当する医療行為のなかで、厚生労働省が定めた特定行為(21区分38行為)を担当することができます。例えば、患者の診察、検査の実施・評価、気管へのチューブの挿入、お薬の投与の要否判断、手術補助などが挙げられます。

クリニカルパスやリハビリ計画などの治療に関わる医療計画の作成

医師と連携しながら、クリニカルパスやリハビリ計画などの治療に関わる医療計画の作成も担当します。

医師と看護師との橋渡し

医師と看護師の橋渡し的存在も担います。そのため、両者から相談されることも多いです。

看護職員を含む病院スタッフの教育・育成

診療看護師は普段から看護業務を多数経験しており、医療行為についての教育も受けているため、看護職員を含む病院スタッフの教育・育成を担当することも多いです。

このように、診療看護師は様々な業務を担当しています。働く場所も外来や救急、入院病棟など様々で、業務負担は一般の看護師より重くなりますが、その分やりがいも大きいです。

診療看護師ができること

診療看護師は手順書に基づいて、以下の21区分38行為の「特定行為」を行うことが可能です。

特定行為区分の名称 特定行為
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 侵襲的陽圧換気の設定の変更
非侵襲的陽圧換気の設定の変更
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
人工呼吸器からの離脱
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 気管カニューレの交換
循環器関連 一時的ペースメーカの操作及び管理
一時的ペースメーカリードの抜去
経皮的心肺補助装置の操作及び管理
大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
心嚢ドレーン管理関連 心嚢ドレーンの抜去
胸腔ドレーン管理関連 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更
胸腔ドレーンの抜去
腹腔ドレーン管理関連 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。)
ろう孔管理関連 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
膀胱ろうカテーテルの交換
栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理)関連 中心静脈カテーテルの抜去
栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
創傷管理関連 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
創傷に対する陰圧閉鎖療法
創部ドレーン管理関連 創部ドレーンの抜去
動脈血液ガス分析関連 直接動脈穿刺法による採血
橈骨動脈ラインの確保
透析管理関連 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
脱水症状に対する輸液による補正
感染に係る薬剤投与関連 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリンの投与量の調整
術後疼痛管理関連 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
循環動態に係る薬剤投与関連 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 抗けいれん剤の臨時の投与
抗精神病薬の臨時の投与
抗不安薬の臨時の投与
皮膚損傷に係る薬剤投与関連 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整

【引用元】厚生労働省 特定行為区分とは

診療看護師になるメリット

診療看護師になるメリット

迅速な対応ができる

一般看護師の場合、患者の容態が変化した場合、医師の指示を待つ必要がありますが、診療看護師は一定の範囲内で医療行為を行うことができ、医師の判断を待つことなく迅速に対応可能です。
なかでも、訪問看護などの在宅医療においては医師の手が回らず対応できないこともよくあり、指示が来るまでに時間を要することがあります。診療看護師はスピーディーに対応できるため、患者にかかる負担が抑えられ、さらに、業務時間も短くすることができます。

資格手当がつくなど一般の看護師に
比べて給料が良い

日本NP教育大学院協議会によって行われた「診療看護師(NP)活動実態調査」では、資格手当がつく方は全体の63.3%で、一般の看護師とは違った給料表が設定されたのが9.7%となり、70%以上の診療看護師が一般の看護師に比べて給料が高く設定されていると報告されています。

診療看護師の給料

診療看護師の給料総務省統計局が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」では、看護師の平均給与は35万1,600円と記載されています。
診療看護師は、資格手当がついたり、基本給が一般の看護師より高く設定されていたりすることが多いです。資格手当の相場は約6万円となっています。

診療看護師と特定看護師の違いは?

診療看護師と特定看護師の違いは?特定看護師とは、厚生労働省が作成した「特定行為に係る看護師の研修制度」を修了し、専門的知識や高度な技術が必要とされる特定医療を行える看護師の通称で、資格名ではありません。「特定行為研修を修了した看護師」を呼びやすいようにした略称です。
特定看護師は、医師が事前に定めた指示書に基づき、指示を待つことなく一定の医療行為を行えます。
特定看護師になるためには、看護師資格の保有に加え、指定研修機関で特定行為研修を受講する必要があります。
医師が定めた指示書に基づいて自己の判断により特定行為を行える点は診療看護師と似ており、よく間違われることがありますが、下記に示すような相違点があります。

民間資格である「NP資格」を
保持しているかどうか

特定看護師は、特定行為研修を修了した看護師の通称であり、資格名ではありません。一方、診療看護師はNP資格を保持しています。NP資格の取得のためには、看護師として5年以上の実務経験、大学院での修士課程を修了し、試験に合格することが条件となるため、NP資格を保持していることは高度な看護スキルを持っていることの証明となります。
また、NP資格は取得後も5年ごとに更新が必要となり、学習を続けなければなりません。

実務経験が必要条件であるかどうか

特定看護師の特定行為研修を受講するためのはっきりとした条件はなく、あくまで3~5年以上看護師として実務を経験していると想定されているだけです。一方、診療看護師の場合、大学院のNP修士課程を履修するには、通常5年以上看護師として実務を経験することが必要です。

学ぶ場所が大学院などの高等教育機関であるかどうか

特定看護師の研修機関は大学や大学院、病院など多岐にわたり、学位が取れないこともあります。一方、診療看護師は大学院でしっかり単位を取得して卒業することが条件になるので、看護学の修士の学位を取得できます。

行える特定行為に制限があるかどうか

特定行為は21区分に分けられ、38の行為が定められています。
特定看護師では、全ての行為を学習できる研修機関は全国に数か所しか存在しません。そのため、研修は数区分となることが多く、現場で行える特定行為も研修を受講した区分のみとなります。したがって、自身が学びたい特定行為があれば、それを教えている研修機関を事前に調べる必要があります。
一方、診療看護師の場合、施設によって若干差異はあるものの、通常、全ての特定行為、もしくはほとんどの特定行為が大学院卒業後に行えるようになります。

参考:厚生労働省「【特定行為に係る看護師の研修制度】指定研修機関等について」

診療看護師・専門看護師・
認定看護師の違いは?

診療看護師(NP) 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
認定機関 一般社団法人
日本NP教育大学院協議会
公益社団法人日本看護協会 公益社団法人日本看護協会
定義 患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師 水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師 高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できると認められた看護師
資格内容 看護師として5年以上の実践経験を持ち、指定の看護系大学院でNP教育課程を修了して必要な単位を取得した後に、認定審査に合格することで取得できる資格 看護師として5年以上の実践経験を持ち、看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できる資格 看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することで取得できる資格
人数 2021年4月時点
572人
2021年12月時点
2,944人
2021年12月時点
22,577人
分野 プライマリ、プライマリ(老年)、プライマリ(小児)、クリティカル 14分野 がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護、放射線看護 19分野(B課程 ※2020年度から教育開始) 感染管理、がん放射線療法看護、がん薬物療法看護、緩和ケア、クリティカルケア、呼吸器疾患看護、在宅ケア、手術看護、小児プライマリケア、新生児集中ケア、心不全看護、腎不全看護、生殖看護、摂食嚥下障害看護、糖尿病看護、乳がん看護、認知症看護、脳卒中看護、皮膚・排泄ケア
役割 医師、薬剤師等の他職種と連携・協働を図り、一定レベルの診療を自律的に遂行し、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施することにより患者の QOL の向上を図ること。 患者・家族に起きている問題を総合的に捉えて判断する力と広い視野を持って、専門看護分野の専門性を発揮しながら専門看護師の 6 つの役割「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」を果たし、施設全体や地域の看護の質の向上に努めること。 患者・家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら認定看護師の 3つの役割「実践・指導・相談」を果たして、看護の質の向上に努めること。

引用元:https://jadecom-np.jp/np/compare/ NP・CNS・CNの違いについて一覧

診療看護師の必要性・需要

総務省が発表した統計では、日本の総人口における高齢者人口の割合は2023年8月には29.1%となっており、2040年には35.3%まで上がることが予想されています。この社会情勢から、療養医療の需要は高くなっていくことが見込まれます。

(出典:統計局「人口推計」
(出典:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」

日本看護協会は「看護の将来ビジョン」として、
「ケアの領域の多くは看護職の裁量で実施されてきたが、暮らしの場での療養においては、医療的な判断や実施が適時的確になされることが、人々の安全・安心に直結する。将来的には、地域において人々が安全に安心して療養できることを目指し、常に人々の傍らで活動する看護職の、医療的な判断や実施における裁量の拡大を進める」と公言しています。

このため、日本においても将来的には、アメリカと同様にナース・プラクティショナーのような資格を保持する看護師の需要が高まってくるでしょう。2020年9月に、日本看護系大学協議会と日本NP教育大学院協議会、日本看護協会の三団体で協議が行われ、同年9月23日に自民党看護問題小委員会に対して「ナース・プラクティショナー(仮称)制度の創設に関する要望書」が提出されました。
2023年の段階では、ナース・プラクティショナー(仮称)制度の創設は決定されていませんが、今後は診療看護師の需要は徐々に高くなっていくことが予想されます。

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看護roo!

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求人数 約150,000件
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ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)

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参考記事:【看護師向け】おすすめの転職サイト人気ランキング20選を比較|選び方や口コミも紹介の記事はこちら

参考文献など

厚生労働省 特定行為区分とは
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077098.html令和4年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/厚生労働省「【特定行為に係る看護師の研修制度】指定研修機関等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087753.html

NP・NDC研修センター 診療看護師(NP)と専門看護師・認定看護師の違い
https://jadecom-np.jp/np/compare/
統計局「人口推計」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/index.html

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事業内容 集患支援事業
メディア運営事業
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